Jプロツアー第6戦『ツールド熊野』へメカニック出張してきました
- 投稿日:2014年06月02日
- カテゴリ:スタッフブログ
JBCFのトップカテゴリー:Jプロツアー第6戦『ツールド熊野』は世界遺産でもある熊野エリアを舞台に繰り広げられるステージレース、4日間に渡って行われます。
このツールド熊野(5/29~6/1)に参戦する地域密着型クラブチーム『那須ブラーゼン』のメカニックとしてサイクルパインのマエダが帯同してきました。 私マエダはレース密着はお初でありましたので、怒涛の4泊5日でありました(汗
初日はひたすら移動…朝一にパイン前でひろってもらい熊野へ向けて出発っ 選手は途中下車してバイクに跨り体をほぐしつつ宿まで自走。
宿に着けば明日のTTに向けて、洗車&チューンがついに開始。 魚屋さながらに長靴エプロンに身を固めます! 選手のバイクは普段からトレーニングでガシガシ乗り込んでいるので、個々のバイクは到る所にほころびが見られます。バイク現状に困惑しながらセットアップを進めていきます~でないと明日になっちゃうよっっ
そして、初日。河川敷を利用した700mのタイムトライアルスタート☆ 一人ひとりが30秒間隔で発進していきます。
事前にUCI規格に則っているか、個別にバイクの審査を受けます。 スタート前に皆がローラー台で調整。 試走もしてもらいつつ、バイクのフィーリングにずれがないか再三選手とコミュニケーションをとります。
全20チーム/総勢140名の選手が揃った会場。日本のプロクラブの選手達は基本単年契約。移籍を繰り返しているベテラン勢は皆顔が知れていて、チーム間のピリピリしたムードは全く無く、どこか同窓会のような…みな談笑しつつ挨拶回りに出かけていきます。これは新鮮に映りました。
700mなんてあっという間ですね。プロローグが終われば速やかに宿へ移動。各チーム時間との勝負です!
圧巻は、若い選手は宿まで自走~どこまでも身体を整えるのに余念がありませんっ
宿に着けば、私にとっての戦いが始まります(笑) 洗車&チューンのスタート。
ついに1stステージ。赤木川清流コース・114.1km。平坦が基本ですが、各所に狭くて急坂もあり、テクニカルなコース設定。視界の悪いトンネルもあって、選手達には集中力が求められます!
このステージで、那須ブラーゼンは、一選手が落車にまきこまれ・・一選手はアシストで力を絞りきってリタイヤ。のこる4選手は無事完走◎
コースの性格上、各選手タイヤをロックさせることしばしば。タイヤの張替えが多数。選手によって選ぶモデルは様々。クリンチャーからチューブラー、モデルの違いからサイズ、好みの空気圧…ゼッタイに間違えられない戦いがそこにはあるっ 次ステージの最大の難所:山岳へ臨みますっ
ツールド熊野2ndの難関ステージ:山岳がはじまります。 とても素晴らしい風景が広がりますが、景色を楽しむ余裕なんてどこにも無いっっ 峠を3連クリアーしていきます。
ブラーゼンのエース佐野選手&キャプテン普久原選手をなるたけ上位に持ち上げるべく、アシストの雨澤&岩井選手の力走が光りました☆ 集団後方まで下がりサポートカーを呼び寄せ、仲間に届けるボトルを可能な限り・ジャージ背中にまでボトルを差し込んで、また集団前方へ駆けていく一連の動き。車からボトルを手渡して、前方へ遠ざかっていく選手の背中を見送りながら感情が込み上がります。
下りになるとサポートカーよりもバイクが断然速く、蛇行したテクニカルなコーナーを70から80kmオーバーでダウンヒル! 到る所で側溝に落ちる選手を横目に、ジェットコースターさながらに選手を追っていきます。
2ndステージもブラーゼンは無事4選手完走☆ 今日の走りでだいぶバイクも悲鳴を上げたことでしょう。この日のチューンは腕がなります! 選手のケアはマッサー金子氏にお任せして~私はバイクに息吹を注いでまいりまっす。
漁港近くの宿でチューンを仕上げていざ最終ステージへ。
3rdステージは太地半島を周回。毎年、逃げを吸収しながら数を減らした集団による高速スプリントで決着が付く名コース。
ブラーゼンの走りはというと、アシスト雨澤&岩井選手は前日の奮発したエネルギー回復が不足していて次第に遅れをとり…遂にはやむなくリタイア。招待の強豪海外選手が集団を形成していき、最終スプリントにブラーゼンは残れずにレースを終了。
チームとしては次に課題を残す歯がゆい結果ではありました。
4泊5日のステージレースへメカニックとして初帯同。寝食をともにしてレースを一つひとつこなしていく。
選手達は毎レースが崖っぷち。戦績によって来年の契約・そして現役が続くかどうかがかかっています。
そんな彼らと行動を共にすることで『ロードバイクとは?』店舗にいるときとはまた違ったイメージを抱きました。
一日のサイクルは朝6時頃から始動し、最終バイクチェックから車への搬入・移動~レースをサポートカーに乗って選手を追随~レース終了とともに巻きでバイク積み込み次の宿へ移動~洗車&チューン、気づけば夜10・11時。。。
ステージレース初帯同の自分にとってかなりハードなサイクルではありましたが、
最低限のノルマとしてメカトラを防ぎ、選手の力量を発揮させる支えはできましたでしょうか。
ただ、バイクだけではなく、チーム帯同するには、士気をいかに選手と共有し(ときにはリラックスを届け)、レースに臨む意気を固めなくてはなりません。メカだけではない何かを…
そこに自分として悔いがありますが、また機会があれば、しっかりと整えていきたいと思います。
皆さんも是非Jプロツアーをご注目ください!
そして、那須ブラーゼンをちょっとでもご贔屓いただけるとうれしいです。
FORZA! NASU-BLASEN!! マエダでした。